人が人を、異性として好きになる。なんと甘美で素敵なことでしょうか。
あなたはどのような点で異性を好きになり、嫌いになるのでしょうか。
海外の出会い系サイトが、この点についてちょっと変わった調査をしたようです。
ゲーム上の特定のキャラとする恋愛ならいざ知らず、『セロリ』という歌にあるように、実際の人間は育ってきた環境や人生観が違うのが普通です。そこでよくあるのが、好きになった人の素性や個性を後で知ってしまってから「思っていた人とは違った。こんなはずじゃなかったのに…」とがっかりしてしまうこと。自分の譲れない価値観があって、そういうことがわずらわしいから恋愛はしない、と言う人も多いことでしょう。
いわゆる非モテの集団には、こういった考えの割合の方が沢山いらっしゃるでしょうが、男女によってはこの考えの具体的な内容が異なってくるのではないでしょうか。また、こうした異性に対して抱く理想像と禁忌についての思考は、文化の違いこそあれ、海外でも同じことなのです。まさしく、「男と女だから、すれ違いはしょうがない」のですね。
ここらで一つ、米国の恋愛における「これだけは恋人に対して譲れない・最低限持っていてほしい」というランク付けをのぞいてみましょう。
アメリカの有名紙ニューヨ－ク・タイムズの2月１日付『LOVE WELL』欄では、「これだけは譲れない」恋人への欲求と、「これは我慢できない」許せないことを特集した記事が組まれています。この記事は、アメリカの大手出会い系サイトe-Harmonyが、サイトに登録している72万人の会員全てに前述のアンケートを行い、その結果をランク分けしたものを元にしています。その結果は、どのようなものだったのでしょうか。
記事によれば、男女とも多くの点で共通しているのは、相手に求める「これだけは譲れない」もの。たとえば、
「ユーモアのセンスがあって、相性が良く、コミュニケーション能力と誠実さを併せ持っていること」
更には、
「精神的な疾患がなく、正直で個性的なこと」
までが求められています。
しかし男女で生まれる違いは、海を越えてもやはり避けられないようです。
男性が女性に求めることで顕著であったのは、「忍耐力」。苦難やストレスにも負けない節度と強さです。感情的な部分、すなわち素直に気持ちを表現することを女性に求めようとする男性は、ベスト１０にはランクインしない量でした。
一方、女性が男性に何よりも求めるものは「経済的な安定」と「家庭・家事に参加すること。」これは男性のベスト１０には入っていない点で、女性特有のもののようです。
では反対に、「これだけは我慢できない」というものはどうでしょう。
この点では、ランク付けこそ違いましたが、以下の点が共通して挙げられました。
「ウソをつく、ずるい、人道的でない行為、薬物乱用、視野が狭い、不潔、キレやすい、怠け癖」
日本でも「だいたいあってる」と言うべき内容ですね。
ところで、男女で違うところの最後の点。男性が「過度の肥満した女性」を許せないのに対し、女性では「人種差別主義者の男性」が許せないというもので、正にアメリカらしい回答となりました。これらはそれぞれ反対側のリストにはランクインしていないようです。
記事のコメント欄では「出会い系なのだから建前だらけ、ウソ言うに決まっているだろ」「信憑性あるのか」というような辛口な声も目立ちますが、みなさんはどう思われたでしょうか。3次元の誰かに一目ぼれしたりしてしまう前に、自分で「これは譲れない、許せない」という基準を設けておくのも、割と一興かもしれません。もちろん、人は変わることができるのですから、付き合ってから相手を変えることはできますので、杞憂に終わるかもしれませんが。何よりも、自分自身が相手の求めることにマッチしているのかどうかを客観的に考えることも、どうかお忘れなく。『セロリ』にもあるように、できるだけ「がんばってみて」はいかがですか。
（後実文人）
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（参考記事）
山崎まさよし『セロリ』
NY Times -What are your relationship deal breakers?
後実 文人(ごみ ぶんと)
北海道札幌在住のアラサーフリーター。男性。某私立大人文学部卒。特技は英語そこそこ(TOEIC900以上、英検準一級)の他、多少の外国語。10代は非モテDQNバンドマンだったが20代で脱出。海外の英文恋愛関係記事要約のほか、人文書やサブカルの中から非モテの普遍性を探る記事を書くことが目標。色々な人に恩返ししていきたい人生まっしぐら。
Twitter http://twitter.com/BuntoGomi
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